浜松市でオープンデータの利活用促進プロジェクトに1年取り組んで得た知見

浜松市でオープンデータの利活用促進プロジェクトに1年取り組んで得た知見

合同会社長目は浜松市実証実験サポート事業の第4期に採択していただき、浜松市のオープンデータ利活用推進のために、2022年10月から2023年9月の1年間活動しました。目標に「企業における活用事例を10件作る」と掲げ活動しました。しかし、結果は残念ながら1件も実用に至りませんでした。

結果発表のイベントで、IDEAPOST株式会社代表取締役社長平山雄太氏から、今後もオープンデータ活用の課題に取り組む団体は多いので、知見を残すことは有意義であるとのご意見をいただいたので、このプロジェクトで考えたことを共有します(平山様ご提案ありがとうございます!)。

解決したかった課題

今回、実証実験の課題に「浜松市のオープンデータが使われない」との課題がありました。

それまで私はプログラミングのコミュニティを作ったり、自社でもオープンデータ活用のイベントを開催し、結構人が集まっていたので、その辺りを実施した知見を活かして、実用に結び付けられるのでは?と考え、応募し、採択いただきました。

私がターゲットとしているのはプログラミングに取り組んでいる、もしくは、これから取り組もうとしている、という方なので、実用に近いのでは?と想定していました。

当初想定した解決策

解決策は直球で「ビジネスでデータを活用できる人を増やすべく、現地でデータ活用に関するセミナーを沢山行う」でした。

実証実験の応募前に、浜松市のオープンデータを確認したところ、ビジネスアイデアと組み合わせられれば、活用できそうなデータが多くありました。また、住所と位置情報が併記されているので、ビジネスで使える手ごたえがあり、その辺りのデータを使ったプレゼンテーションも行いました。

データはビジネスで使われなければ、価値を生み出しません。一方で、使われ始めると、ビジネスの効率化や新たな雇用創出による税収増、そこからより役立つオープンデータの公表につながると考えました。

個人的には「イシューからはじめよ」的な思考をお伝えすることと、一般的なデータ分析アイデアをご紹介していけば、ビジネスでのデータ活用が進むのではないかと思っていました。

しかし、実際に起こったことは、頭で想像したものと違うものでした。

実際の活動

実際の活動では、最初の10カ月、浜松市でデータ活用セミナーを開催しました。その期間で、このままのセミナー開催では、実際の活用につながらないと判断しました(理由は後述)。

そしてその後の2カ月は、企業の経営に近い人に、オープンデータの活用出来そうな課題とかあるかをインタビューして、ちょっとそれに使えそうなものを作ったりしていました。

実際に活動した際に起こったことは次の通りです。

実際: セミナーに人が集まらない

まず、セミナーを開催したが「人が集まらない」という課題に直面しました。よく考えてみたら、全く訪れたこともない土地で、知名度もない会社が行って、セミナーにポンと人が集まるはずがなかった。実際、初めて11月末にセミナーを開催したが、人が集まらなかった。

というわけで、まずセミナーに参加してもらうためのマーケティングを練らないといけないことが分かった。というわけで、12月の現地セミナーをスキップし、1月に開催することにし、オンライン広告を活用、浜松市さんの協力もあり、1月は会場が埋まる人数である10名を超える人に参加していただけ、何とかこの危機は乗り越えられました。

コロナ禍でオンライン開催に慣れ、それで人を集められるようになっていた私でしたが、実際の場所に人を集める難しさを忘れていたという課題がありました。

実際: オープンデータの活用が広がらない

参加していただける方は増えましたが、残念ながら、オープンデータの活用は始まりませんでした。

これにはいくつか要因があると考えられます。

セミナーのコンテンツがダメだった可能性

データに関する学習を進める内容、プログラミング、生成AI、ビジネスアイデアにデータを使うなど、色々と試していきましたが、実用にはつながりませんでした。

実用につながらなかったということは、内容が実用に結び付かないものだったのだと思います。

今後は、他の組織と連携してよいものを作るとか、いろいろ検討しながら実用に結び付くようなコンテンツができればと考えています。

課題がない

イベントに参加していただいた方へのインタビューで、会社にオープンデータを利用して解決できるような課題がないとか、何に使えばよいか分からないというご意見もいただきました。

たしかに、ソフトウェアの開発技術を提供するような会社だと、そういう課題ってないのかもと思いました。一方で、何か売り上げを拡大していこうと思うときとかの市場調査には使えます。均衡状態にある企業では使いにくいのかもしれないなとも思いました。

あと、活動の後半は、経営者の方に課題を聞いたりして使える部分がないか探ったりしました。飛び込みでインタビューしたりして見えてきたのは、経営者の方は課題を抱えておられるので、やりたい従業員の方と結び付けると良いシナジーが生まれるのではないか?という点でした。

ある経営者の方は、オープンデータでAPIとかCSVとか出されても、使えないんだよなーということをおっしゃっていました。そのあたり、人材のマッチングとかすると良いのかもとか思いましたが、活動の時間切れもあり、何も行動に結び付きませんでした。

コンテンツをプログラミングしたい人に寄せすぎた

最近別の機会でビジネスの現場サイドの方とお話ししていました。

その席では、有名企業のAI活用が話題になったのですが、その活用がITサイド寄りで、現場の収益に結び付く感がなく、使えない。それゆえ、大きめの課題をヒアリングにより手に入れて、ソリューションを提供すれば喜ばれるという話でした。

つまり、ビジネスの現場では、報道されているAI凄腕企業でも、課題は山積みで解決されるのを待っているということです。

そういう方と、課題がない人を結びつけるってのはなかなか良いと思うのだけれど、それをどうするか?ということを考えました。そう考えると、提供するコンテンツをプログラミングやデータ活用を理解したい人に寄せすぎたのは間違いだったのかもなとも思いました。

まとめと今始めるとしたらどうする?

以上、合同会社長目が浜松市で「オープンデータの利活用」に1年取り組んで得られた知見、検討した項目を書き上げました。

今やるとしたらどうするかを考えると、順番を反対にすると思います。

  1. 企業に課題をヒアリング(課題を探す。兼オープンデータの認知向上)
  2. それに活用できる市などのデータがないか探す
  3. 活用案を提案し、事例を作る
  4. 公表できるものは公表する
  5. セミナーなどを開催

 やはり何事もイシューからはじめるべきでした。

合同会社長目と一緒にオープンデータの利活用を促進しようと思われる方は、ぜひContactよりお声がけください。

最後に、一緒にいろいろ考えてくださった、浜松市の皆様、日本総研の皆様、参加者の皆様、企業の皆様、ご協力ありがとうございました。


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