国土数値情報ダウンロードサイトに、都道府県地価調査データがあります。このデータは、都道府県が調査した7月1日時点の地価のデータで、位置情報もついておりなかなか興味深いデータです。
今回は、京都府のデータを使って、土地の価格の推移を観察してみました。土地の利用用途は、住宅、商業地、林地など様々なものがありますが、今回は住宅地のデータをピックアップしました。
日本の地価に関しては、いくつかのデータが公表されています。有名なのは公示地価かと思います。公示地価は1月1日時点の地価を国交省が3月に公表するものです。
今回扱う、都道府県の地価調査のデータは都道府県が7月1日付のデータを調査し、9月20日に公表したものです(京都府のウェブページより)。
最初に京都府全体の住宅地地価の推移を観察します。国土数値情報ダウンロードサイトから取得した京都府のデータから、住宅地のみを抽出し、各年の平均値を作りグラフにしました。
データには1983年からのデータがあります。グラフを見るとバブルの頃の値上がりの激しさと、それ以降の値下がりが2010年ごろに底打ちしたように見えます。
ちなみに2023年の前年比はmeanで1.8%、medianで1.7%の上昇となっています。
次に2010年を基準(100)として、それぞれの観察地の地価推移をグラフとして観察します。
2023年の値の統計量を観察したものが次のデータです。最小値は55、50%の値が92.9、75%の値が101.98となります。ここから半分以上の土地は2010年比で値下がりしているといえます。
次に全体の前年比の統計量を観察します。50%のところはちょうど1になっているので、前年と変わらないものが真ん中にあります。半分は値上がりしていて、半分は値下がりしているような状況のようです。
さて京都府で最も1平方メートル当たりの価格が高い場所はどこでしょう?
下のようにデータを可視化すると、御所の西側が最も高いようです。1平方メートル当たりの価格は68万円です。京都人の感覚にもマッチしますね。
京都府全体を観察してみます。まず、地図の棒の高さに1平方メートルの価格、棒の色に前年比の変化率を持たします。棒の色は赤だと前年比上昇、白だとプラマイゼロ、青だと下落という風になっています。
グラフを観察すると、京都市の中心部ほど価格が高く、色も赤色になっていることが分かります。半面、郊外になると色は青色となります。
前年比(y軸)と2010年比(x軸)をプロットしました。短期のトレンドと長期のトレンドは似たような傾向にありそうです。
前年比(色)と2010年比(円の大きさ)を緯度経度でプロットしたのが次のグラフです。京都市中心部の円が大きく、中心部の値上がりが大きそうなことが分かります。
以上、京都府の地価調査のデータを観察しました。このように政府などから公表されているデータをオープンデータと呼びます。そして、このようなデータを使うだけでも、起こっていることが理解できます。
今回のデータを見てもいろいろと思うところはあるかもしれません。例えば、ここ最近土地は値上がりし始めているといわれているけど、郊外はそうでもないのだなぁとか、少しのデータでもいろいろ検討できるものがあります。
次回以降に、他の都道府県でもそのような傾向があるかなどを調査してみたいと思います。
位置データを活用した、土地の価格などの分析は、お気軽に長目にご相談ください。